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石けん作り
エタノールと鹸化 エタノールと鹸化
以前、石けんを作るとき、リンゴを漬け込んだ日本酒を入れたことがあります。 入れる前に十分にアルコールを飛ばしたつもりでしたが、残っていたようで、投入しかき混ぜるとあっという間にトレースがでました。 アルコールを入れると鹸化が進むとは聞いていたが、事実だった。
水と油はなかなか混ざらない。 でも、水とアルコールは混ざりやすい。 油とアルコールも混ざりやすい。 だからアルコールを加えると、水と油が仲良くなりやすくなる。
短時間で石けんを作ろうとするときは、便利だ。 便利だが、どれくらいアルコールを入れるといいのだろうか? ...作ってみることにしました。
作る石けんは、キャスティール、オリーブ油100%の石けん。鹸化率90%。
用意した油は、ガルシア EXバージンオリーブオイル。 これにしたのは、近くのスーパーに売ってあったから! ただそれだけ。 1リットル880円なり。
用意したアルコールは、ドラックストアで買ったエタノール。 エタノール含有量95%。
エタノール0%
オリーブ油500g、エタノール0%、気温25℃
オリーブ油を40℃程度に温め、苛性ソーダ水溶液も40℃程度にそろえました。 そして、油に苛性ソーダ水溶液を静かに一気に注ぎ、撹拌開始。 かき混ぜ始めてからトレースがでるまでは、28時間でした。
石けん作りの本によると24時間が目安なので、ちょっと長めですが、こんなものでしょう。
エタノール0%  28時間
エタノール2%
オリーブ油500g、エタノール10g(油の2%)、気温22℃
オリーブ油を40℃程度に温め、エタノールを加えてかき混ぜました。 温めた油にエタノールを加えたので、エタノールが揮発したらしく臭いがしました。 それから苛性ソーダ水溶液を冷ますのに、少し時間がかかったのでアルコールが揮発して減ったと思います。 油と水溶液の温度を調整してから、エタノールを混ぜれば良かった...後の祭り。
苛性ソーダ水溶液を静かに、でも一気に注ぎ、撹拌開始。 かき混ぜ始めてからトレースがでるまでは、6時間30分でした。 このころにはもうエタノール臭はしません。 揮発した量が少なければ、もう少し短い時間でできたかもしれません。
エタノール2%  6時間30分
エタノール4%
オリーブ油500g、エタノール20g(油の4%)、気温23℃
オリーブ油を40℃程度に温め、苛性ソーダ水溶液も40℃程度にそろえました。 ここで油にエタノールを加えてかき混ぜました。 エタノール臭がしました。 その後、苛性ソーダ水溶液を静かに一気に注ぎ、撹拌開始。 5分後、絵が描ける状態になりました。 エタノール臭もまだします。 こんな短時間でかき混ぜるのを止めていいのか迷いながら、混ぜ続けました。 混ぜ始めて10分後、栗きんとん状態になった。 もう型に流し込むのは無理。 お玉ですくって型に入れました。
6日後、型から出しました。 型に入れるときからこうなることは分かっていましたが、大きな気泡が入っています。 そしてカットするとポロッと崩れてしまいました。
4%は多すぎ...らしい。
混ぜすぎた石けん 石けんをカットすると
エタノール4%  5分
エタノール3%
オリーブ油500g、エタノール15g(油の3%)、気温20℃
オリーブ油を40℃程度に温め、苛性ソーダ水溶液も40℃程度にそろえました。 ここで油にエタノールを加えてかき混ぜました。 エタノール臭がしました。 その後、苛性ソーダ水溶液を静かに一気に注ぎ、撹拌開始。 トレースが出たのは20分後。この時はもうエタノール臭はありません。
エタノール3%  20分
油の種類、気温、撹拌具合で異なるとは思いますが、今回、EXバージンオリーブ油ではこういう結果になりました。
結果
2%のときは少し時間がかかったので揮発しています。なので、トレースまで少し多くかかっていると思います。 油の重量の2%〜3%のアルコールを加えると、型入れまでの時間がぐっと短縮されることが分かりました。 加えるアルコールは少量ですので、肌への影響はないと思います。 石けんをカットするときには、既にアルコール臭はありませんし、熟成期間にとんでしまうと思います。